2009年12月14日

波紋 (6)

「お前が浮気をするなら勝手にすればいい。俺にだってイイ男がいるのだから。」と彼に告白して以来、
俺は、仕事絡みの飲み会等に参加する際、敢えて彼には「ちょっと出かけてくる。お前には関係ない事だけどさ」と、ワザとCの所にいく素振りを匂わせた。
その度に彼は表情を曇らせたが、感情を押し殺そうとして堪えているようであった。

そういう状況が1ヶ月も経過すると、我ながら忘れっぽい性格だと思うのだが・・・彼への怒りは薄れていった。
結局、10年近く1人の男と付き合ってきて、しかもそのうち何年かを一緒に暮らしてこれたのは、全く異なる性格でありながら一緒にいてもストレスにはならず、なんとなく波長が合うせいである。
それに前回書いたように、客観的にはアホらしく思える、彼のセックス依存症克服の為の努力を見ていると、そんな状況に追い込まれた彼を気の毒に思えてきた。

過去の彼の行いを考えると、理性では「許せない・許すべきではない」と思うのだが、感情レベルでは「あれだけ怒りをブツけ、しかも十分な報復も行ったのだから、これでもう十分やん?」と思う。

少なくとも当面、彼は大人しくしているだろうし、次に浮気が発覚したら確実にココから追い出されるであろう事は、彼も認識しているだろう。
さらに、もし彼が去ったとしても、俺には「別の男」がいることも、彼は知っている。
それでも、俺に許しを請い、俺との関係を続けたいと言う。

何故、そうまでして俺なんかがイイのだろう??
このあたりが、「剣の収め時」かもしれないな。

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その後。
彼はiPhoneのGrindrを通じて、近所のゲイ友達を3~4人作り、仲良くやっているようだ。
Grindrにはエロ目的の利用者も当然いるだろうが、少なくとも彼は健全な交友関係を築き、自宅で鍋パーティをやったりして楽しんでいるし、俺にも彼らを紹介してくれる。
(彼らが集まるとiPhoneの話ばかりで、Docomoユーザーの俺には非常にツマラン会合なんだけど)

今まで、相方にはゲイの友達がほとんどおらず、その反作用でセクフレの方向に走っていた側面もあるように思う。
だからこうして、俺との接点がない友人を彼が作り、俺抜きで飲みに行ったりできるようになった今、彼の意識が良からぬ方向に向かう可能性は少ないのかもしれない。

秋になり、俺と彼の生活は、少なくとも表面上は以前に状態に戻った。
時々、「こんど浮気したら、そのときは追い出すからな」とジャブを入れることもあるが、それもご愛敬である。

今後も相当な確率で、彼は悪さをするだろう。
所詮、俺達は男どうしなんだし、しかもお互いが「伴侶に一生を捧げる」というタイプではなさそうだ。
その課程で、別々に暮らすのも悪くないと思う。
だけど、今でもなんとなく、「今後もこいつと歳を重ねていくんだろうなぁ」という「覚悟」と「予感」と「諦め」が入り交じったイメージが、俺の頭の中にはあるんだ。

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一方の年下の男Cとの関係はというと・・・
実のところ、Cとは月に1回程度しか会っていない。
休日が違うし、生活のリズムも異なるためであり、だからこそ実際に会おうと思うと、事前にお互いがスケジュールを調整しないといけない。
まぁ、その代わりに毎日メール等で連絡を取ってるんだけどね。

俺もCも、お互いの関係を「恋人」「友人」「セクフレ」等の言葉で定義付ける事は求めていない。
相手のほうは、仕事等で「恋愛やセックスばかりに時間を使っていられない」という状況のようだし、
俺はというと、「ズルい」と自覚しながらも、時の流れに身を任せつつ、Cとの絶妙な距離感を楽しんでいる。

この、心地良い関係が変化するのは、Cが俺に「選択」を求めた時か、あるいはCが「別の男と真摯な関係を結びたい」と考えた時だろう。
少なくとも今時点におてい俺のほうから、Cに飽きる・C&相方以外の男とさらに親しくなる、という事はなさそうである。

Cと接している度に思うのだが、やはりCは魅力的だ。
うまく文章に表現するのは難しいが、顔と性格は可愛く、頭が良いのにちょっと抜けていて、身体は魅力的で、セックスは情熱的だ。
そして何より、10歳以上年上の俺をこんなにも慕ってくれている。

俺から見ると、10年代付き合ってきた同世代の彼氏と、思いっきり年下の若い男に囲まれて「とってもラッキー♪」と思えるし、それは否定しない。
だけど、俺が大切に想う男達だからこそ、今の状況を貫くには罪悪感がある。
特にCは、これから沢山の出会いを経験してイイ恋愛をすべきだと思う。

いつか、俺とCの関係は終わるだろう。
永遠にCを繋ぎ止めておく事はできない。
その時がくれば、笑顔でCを送り出そう。

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12月のある日。
俺とCは、ある温泉宿にいた。
相方には出張と伝えている。

温泉宿の「特別室」は、本館とは別の離れにあり、寝室・居間・ダイニング・和室の4部屋からなる。
さらに室内には専用の露天風呂が設けられていた。
決まった時間になると、仲居さんが料理を持ち運んでくるが、それ以外に俺達を邪魔する者はない。
チェックインした時から、俺達はほとんど部屋を出ず、もう24時間以上2人の時間を楽しんでいた。

ベッドの中で俺達は腕枕をしながら語り込んでいる。

俺:「俺のことを好いてくれるのは嬉しい。今の俺はめっちゃ幸せもんだ。だけど、Cが他の男の事を好きになったら、俺には遠慮せんでいいよ」

C:「うん。判っているよ。俺だってタロを彼氏さんから奪おうとは思っていないもん。だからいつか、ちゃんとした恋人を見つけるつもりだよ」

C:「それに、これから俺達がどうなっていくか分からないけど、どういう形であれタロには良き友人として俺を見守っていてもらいたい・・・なんていうのはワガママかなぁ?」

俺:「嬉しいよ。俺もそうしたいと思っている。さぁ、ちょっと一眠りしようか。何しろ俺は歳だから、さすがに疲れたよ・・・って、お前はなんで、また"元気"になっているんだ?」

C:「タロと違って若いから♪ てのは冗談で、タロはずっと動いていたじゃん。そりゃ疲れるさ。」

俺:「あー、そうだった。とにかく少し寝るよ。起きたら、室内にも飽きてきたし、外にウマいもんでも食べにいこう。せっかくココまで来たんだから、名物の蕎麦でも食っておきたいしね。」

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温泉旅行からの帰宅後。
俺はCの肌の温もりの余韻に浸りながら、自室にてぼんやりしている。

彼:「出張で疲れたみたいやね。だけど明日から北海道でスノーボードなんだから、荷造りを早く終わらせてね!」

俺:「あぁ。分かってる。今年は2人とももっと上達して、カッコ良く滑れるようになろうぜ。」

彼:「うん♪ 猫は(Grindr仲間の1人である)T君が預かってくれるから、今夜一緒にT君んちについてきてよね。」

俺:「了解。T君にも、北海道でお土産買ってこないとね。」

結局、一番ズルいのは俺なんだね。
これを読む人に、「いつかバチが当たればいい!」なんて思われても仕方がないよな。
実際、親しい友人にすら、今の状況を話すことができずにいるし。

だけど、いつ終わるかしれない人生だからこそ、今を最大限に楽しまないとね。
俺は、(2)-2で書いた元セクフレFとは異なる方法で、プライベートも仕事も貪欲に生きるつもりなんだ。

(終)
posted by タ ロ at 14:30| 台北 霧| Comment(3) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月12日

波紋 (5)-2

夏の終わり頃。
彼は予告どおり、心療内科を受診した。
俺は内心、「そんな所に行くのは場違いで、むしろ性欲をスポーツ等の別の方向に向ける意識が必要だ」と思うのだが、彼がそれで満足ならばそれもイイだろう。

ウチから近所にある、ある心療内科の医師は、若い女医であったという。
彼がゲイである事・セックス依存症ではないかと思う事を散々打ち明けさせられた後、その医師は「そういう事は心療内科の範疇外なので、お力にはなれません」と答えたそうだ。
心療内科や精神科の事はよく判らんし、それらに従事する医師全員がそうとは思わないが、エエ加減な商売もあったものである。

2件目の医師は、やや高齢の男であったそうだ。
その医師は、相手の話を真剣に聞きつつ、いかにも悩みを共有しているという表情で、「それは大変ですね。イイ薬があるので、とりあえず2週間毎日飲んでみてください」と、ある薬を処方した。

早速彼は、その薬を飲み始めたのだが・・・。
薬を飲むと、精神状態が落ち込み、身体もダルくなり身動きができなくなるらしいのだ。
こちらが話しかけても上の空で部屋の中をふらふら歩き、食器を洗えばコップを落として割ってしまう。
挙げ句の果てに、「起きているのがしんどい」と言い、寝込んでしまった。

明らかに様子がおかしいので、処方された薬をネットで調べてみた。
「抗躁剤」・・・・どうして、(自称)セックス依存症に「抗躁剤」が与えられているのだ?
セックスしたくてウズウズしている時ならそれもアリかもしれないが、平常時で、しかも俺から「Cの存在」を聞かされて落ち込んでいる時に抗躁剤なんか飲んだら、シロウトでも危険なのは判る。
・・・・処方ミスではないか??

俺は、「その薬を飲むべきではない」と主張し、薬袋を彼の手が触れない場所に隠してしまった。

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相方はそれに懲りず、次にセックス依存症の自助グループに参加した。
とはいっても、ゲイのセックス依存症自助グループなんてないので、ノンケのグループだ。
薬物やギャンブルの依存症ならまだしも、セックス依存症の自助グループなんて存在すら知らなかったよ。

以下は、相方から事後的に聞いた話だ。

それは、男専用の自助会ではないのだが、女性の参加者はおらず、10人程度の男ばかりで行われたという。
それぞれが1人10分ほどかけて、自己の境遇や依存症の状況について話すらしい。

ある男は、妻がいながらそれに飽きたらず愛人を幾人も作ってしまうという。
ある男は、生活保護を受けているに関わらず、風俗通いが辞められないという。
ある男は、SMでないと快感が得られないという。
ある男は、未成年の女子でないと興奮せず、すでに一度逮捕されたこともあるという
ある男は、イイ歳なのにオナニーを辞められず、毎日10回程度、出してしまうという。

それらの相互告白が終わると、開催者よりコインが1枚渡されるらしい。
コインには「10」と刻印されており、これは「10日は依存対象を我慢しましょう」という意味で、自助会の参加者はこのコインを集める事で依存症を克服するのだという。

それらを聞いた俺は、内心、「世の中にはつまらん事で悩む人もいるんだなぁ」と思う。
セックスに関していえば、ゲイのほうが、もっと複雑な悩みを抱えた者が多いのではないか?とも考える。
それに世の中には、雇用が失われたり、あるいは病気に罹って苦しんでいる者もたくさんいるだろうに、なんだか悠長な話である。

俺:「でさ、お前は自分の事を素直に話したん?」

彼:「雰囲気的にさ、自分がゲイで、セックスの対象が男であると言いづらくて・・・。“彼女がいるのに出会い系サイトの利用を辞められない”とだけ話したんだ。」

俺:「そりゃあ、カミングアウトはしにくいとは思うけど、自分をさらけ出さないと、こういうグループ参加の効果もないんと違うん?」

彼:「確かに・・・・・。」

俺:「それ、次回も行くん?」

彼:「うーん・・・・・。」

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思うに、彼はセックス依存症ではないと思う。
そういう領域には詳しくないが、ほんとの依存症患者ならば、そんなものではないように思う。

ゲイ・ノンケ・男女問わず、誰でも、「タイプの異性(同性)に触れてみたい」と思うものだ。
ましてやゲイは、男同士が故にセックスへの垣根は低く、加えてネットには出会いが溢れている。
彼の場合、単に「スケベであり」かつ「過去の成功に味を占めている」だけではないか?
加えて、商売人の家に生まれ・商売人として育ったせいか?「ウソも方便」という諺が彼の本質の一部を構成しているせいでもあろう。

とはいえ、恥を忍んで心療内科に行き、自助会に参加した労力は、彼の反省・後悔の意の現れであるということにしよう。
さらに、彼が今の自分を変えて俺と真剣に付き合っていきたいと思っている事だけは、事実のようである。

(今回は特に偏見部分が溢れているように思います。すいません)
posted by タ ロ at 02:21| 台北 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月11日

波紋 (5)-1

うわー。マジで何が書きたかったのか、分からんようになったきた。

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前回書いたように、俺とCとは濃厚な2泊3日を過ごした。
こんなに一緒に沢山の時間を過ごし、こんなに何度も交わっても、まだ飽き足らないと思える相手とは、今までも数人しか出会ったことがない。
俺は、夢から覚めきらない気分のまま、自宅に戻った。

「これで “おあいこ”」・・・・とかではないよな。
俺は、彼の浮気を言い訳にして、俺自身が欲望の赴くまま行動してしまったんだ。
むしろ、感情が思いっきり籠ったセックスをやってしまった俺のほうが、感情の籠らないセクフレばかりの相方よりも罪は深いのかもしれない。
これじゃあ、彼を責める資格なんてないよな。

相方とは相変わらず、ロクに言葉を交わさないでいる。
彼からは、何かと俺に話しかけてきたが、俺は彼と目を合わそうとしない。
そんな事を続けていると、俺自身、彼に対して怒っているのか?それとも完全に冷めてしまったのか?分からなくなってくる。

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数日後。
相方は改まって、「タロ。話したい事があるんだ。ちょっと聞いてくれないかな?」と言ってきた。
俺は、(とうとう来たか)と思ったが、何気ない顔で「なに?」と答えた。

彼:「タロ・・・。俺はどうやら、セックス依存症のようなんだ。だから、精神科に行こうと思う。」
俺:「へっ???」

俺は、予想していたものとは異なる彼の発言に唖然とした。

彼:「タロは、俺が浮気してる事、気付いているんだろ? 俺は、ほんとにタロの事が好きで、ずっと一緒にいたいと思うのに、どうしても辞められないんだ。」
彼:「車を運転している信号待ち等のちょっとした合間に、無意識に携帯で出会い系掲示板を覗いてしまう。それを繰り返しているウチに、気に入った人にメールを送ってしまうんだ。」
彼:「だから、専門医に診てもらって、この衝動を抑えていきたいと思う。」

彼の「言い様」を聞いていると、この1週間余り無関心・無反応を装っていたに関わらず、沸々と怒りがこみ上げてきて、激しい感情が抑えきれなくなってきた。

俺:「お前なぁ。その言い方はなんやねん。“オレは病気だからネット・ハッテンしまくってしまうんだ。それは病気のせいであって、オレが悪いのではない”と言うのか!」

彼:「そういうつもりは・・・」

俺:「同じ事やん。ゲイ・ノンケ関わらず、男である以上は不定期に激しい性欲に襲われる事は誰でもある。だからこそ、オナニーをしたりして、みんな心のバランスをコントロールしてるんやろ? それを、セックス依存症を言い訳にしやがって!」

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一度火がついた激情は簡単には収まらない。
今日の一言一句によっては、ほんとに俺達は別れる事になるかもしれない。
こういう時こそ、冷静にかつ理性的に考えて、発言しないと。
・・・そのように意識下では思っているのに、言葉となって出たモノは全く別物であった。

俺:「俺はもう、お前の事なんかどーでもいいんだ。先週末の3日間、留守にしたやろ? 何処に行っていたと思うねん?」
彼:「どこって・・・実家か弟夫妻の家じゃないの?」
俺:「そんな訳ないやん。“新しい男”の部屋にいたのさ♪ だから、お前も好きにしたらいいんだよ。」
彼:「ウソ・・・・。ウソだよね? この9年以上、タロはそんな事したことないもん。俺はそんな事、信じないからね!」

彼は、俺のこの数年間の「裏の顔」を知らない。

俺:「信じられないんだったら、俺の鞄の中を見てみなよ。余ったコンドームが入っているからさ。」
彼:「・・・・・。相手は、俺の知っている人??」
俺:「お前が知らない男だよ。この数ヶ月間、ずっと気に入っていたヤツがいてさ。そしたら、向こうも俺の事を好きだと言ってくれたんだ。だから俺達は合意の上、一線を越えたんだ。」

俺はウソをついた。
彼は、Cと顔を合わせたことがある。

彼:「・・・・。どんな感じの人?」
俺:「聞いても、余計に不幸になるだけやで?」
俺:「まぁええわ。俺より10歳以上年下の、めっちゃ可愛いヤツだよ。ユルユルのお前と違って、引き締まったすんげぇイイ身体してるんだ。」
俺:「セックスの相性も、超遅漏のお前とは異なりバッチリだったよ。」
俺:「しかも気立てがよくて、性格もめっちゃ可愛いねん。」

彼:「うっうっ・・・・」
彼は泣きだした。
俺は、それを冷たい眼差しで見つめている。
いずれこういう話になるとは思っていたけど、墓穴を掘ったのはお前(相方)なんだぜ?
・・・とは思うのだが、一方で、「俺って最低やな」という苦い自覚もある。

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彼:「その、若い男と付き合うつもりなの?」
俺:「わからん。彼は“タロを彼氏さんから奪うような事はしたくない”と言ってるよ。それに彼自身、まだまだ若いから焦っていないようだね。」
俺:「だから、俺も今すぐ付き合おうとは思わないけど、それでも今は唯一、マジメにエッチしたい相手であるのは確かなんだ。こういう状態がずっと続くと、事実上の恋人関係になるかもしれないなぁ。」

彼:「だったら、俺はどうしたら・・・?」
俺:「自分の身の振り方くらい、自分で決めろよ。こういう事態を招いたのはお前自身だろ?」
俺:「病院でもなんでも行ったらええやん。だけどもう、俺は動き始めたんだ。今までの俺には、もう戻れないよ。」

彼:「うっうううっ・・・。」

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言いたいことを言い尽すと、なんだかスッキリしてしまい、既に相方に対してそれほど怒りを覚えていない事に内心気付く。
だけど・・・一度、剣を抜いてしまった以上、無傷のまま鞘に納める事はできないようだ。

俺:「お前は数ヶ月の間、生活費を一切納めていない。その状況下で、俺が尋常ならざる病気で寝込んでいる時に、俺を放置して男漁りに走った。その事実を、俺はきっと忘れる事ができないと思う。」
俺:「今のお前は新しい仕事を始めた所で金銭的に苦しいのは分かる。だから当面、俺の財政力に依存する事はガマンするけど、この状態がずっと続く事は有り得ないと覚えておいてくれ。」
俺:「で、お前が独り暮らしできる程度に稼げるようになれば、俺達はしばらく別居したほうがいいと思うんだ。」

彼:「・・・・・・・はい。」



(つづく)
posted by タ ロ at 00:45| 台北 晴れ| Comment(5) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

波紋 (4)-2

うわー。時間の流れに、書くペースが全く追いつかなくなっているね。
月記どころか、追想録になってるし。

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6月末に相方との海外旅行から帰国し、その日に溶連菌感染症を発症したが、
彼はそんな俺を置き去りにして男漁りに繰り出していた事が、7月になり発覚したのは(3)−2に書いたとおりだ。

前回(昨年7月)に彼の浮気が発覚した際、2日ほど彼をウチから追い出した。
彼は、泣きながら俺に詫び、俺もそれを許した。
今回は、どうやってオトシマエを付けてやろうか・・・。
とにかくもう、ヤツ(相方)の事なんか、知った事じゃない。
とりあえず俺も、遠慮なく好きにさせてもらうぞ。

早速、携帯にて(4)−1にて記述したCにメールを送る。
「〜という経緯で、またヤツは浮気をしているんだ。だから俺も、自分の気持ちに正直に行動するよ。この週末、迷惑じゃなければ、お前の部屋に泊まりにいく。で、前回は遠慮してデキなかったことをさせてもらう。・・・イイかな?」

Cは、「嬉しいよ。週末の予定を開けて、楽しみに待っているね!」と答えた。

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おそらくは10回目くらいの今回の浮気が発覚して以来、彼とはほとんど口をきいていない。
意図的に無視しているつもりはないのだが、今(7月上旬時点)はとにかく話す気になれないんだ。

生活費も家賃も納めず、一方で俺が病気でも何くわぬ顔で若い男と浮気をし、ハメ撮りなんかで楽しんでる。
そう考えながら彼の顔を見ていると、身1つでココから追い出したくなってくる。

ところが彼は今、(3)−1に書いたように無収入である。
ココから追い出してしまうと、大阪から1時間半かかる、母親と弟が住む実家に戻るしかないだろう。
俺個人としてはそれでもいいのだが、独立コンサルタントとして出発した以上、やはり、大阪市の中心に近いココのほうが利便性がいいだろうし、できる限り彼のビジネスの邪魔はしたくないとも思う。

そもそも、9年以上続いた俺達の関係をどうすればいいのだろう??
俺は、選ぶ男を間違えたのだろうか??

そんな状況下の、7月のある週末。
俺は、「週末は留守にする」とだけ彼に告げ、家を出た。

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Cは快く俺を迎えてくれた。
普通の賃貸マンションだけど意外に広く、モノは少なくて綺麗に片づけられている。
キッチンの隅には、きちんと水洗いされた牛乳パックや食品包装パック(肉が入ってるヤツ)が乾かされていた。
デスクには仕事がらみの専門書がどっさりと並べられ、普段から勉強に勤しんでいる様子が想像できた。
それまで、俺のCの印象は「元体育会のちょっと緩い系」だったが、そんな印象も少し変った気がする。

俺達は、Cがお気に入りの定食屋に行き、一緒に銭湯にて湯船に浸かり、そして部屋で晩酌をして・・・その後、一晩中、深く交わった。
それまで2人の男としか経験がないという彼は、確かに不慣れだけど、一生懸命な態度と、そして若さからくる無限の体力と・込み上げる欲望を、幾度となく俺にぶつけてきた。
俺は、溶連菌感染症から回復したばかりで体力が戻っておらず、体調不良を感じながらも、そんなCに態度を嬉しく思い、彼を受け入れ続けた。(といっても俺がタチ役なんやけど)

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俺は、Cのひたむきな想いを、とても嬉しく思う。
Cは決してハンサムではなく、ちょっと三枚目で可愛らしい顔付だ。
だけど、一緒に接して・肌を触れ合っていると、そこらの男からは感じることがない、表現しえぬ魅力を感じるんだ。
強いて表現すると、「将来、必ず、“カッコええ大人の男”になるであろう確信」といった所だろうか?

三枚目の顔は、やがて威厳を備えた渋い顔になるだろう。
学生時代に部活で鍛えられた文句が付けようのない身体は、歳をとって多少緩んだところで魅力は大きく落ちたりしないだろう。
彼の職業ならば、このまま進めば「大人のイイ男」にとって不可欠の経済的包容力も得られるだろう。
そして何より、高い知性を律する不器用なまでに真っ直ぐな性格は、そんなCを育てた家庭環境を称賛したくなる程である。

だけど・・・だからこそCに申し訳なくも思う。
Cには、相方の事で一切隠し事をしていない。
こいつは、俺のような中年男の不倫相手にとどまっていてはダメだと思う。

ところがCは、「タロに彼氏がいても構わないよ。俺だって、いつか彼氏を見つけるだろうしね。だけど、今はタロの事がとっても好きで、そんなタロに抱かれたいんだ。ただそれだけだよ。」と言った。
俺は、「分かった。とにかく先の事を考えるのは辞めておくよ。俺も相方とどうしたいか自分でもよく分かっていないし、一方でお前を抱きたいという思いは否定できないもんな。」と答えた。

俺達は抱き合い、腹を減らしてはご飯を食べに行き、買い物をしたり散歩をしては、部屋に戻りまた抱き合う。
一緒に風呂に入り、ひと眠りしたかと思えば、さらに抱き合う。
一泊のみで帰宅するつもりが、ふと気がつくと、2泊3日が経過していた。

このままずっと、Cと一緒にいるのも悪くない。
そして、Cが大人の男に成長していく様子を見守っていたい。
・・・・そんな気がしてくるのが不思議だ。

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今まで幾人もの男と交わり、そして幾人かの男に恋をしてきた。
その中でも、人生観が揺さぶられる程に深く恋したのは、初代彼氏・現彼を含めても片手で数えられる程しかいない。

俺はもう、そんな恋とは出会えないだろうと思っていた。
ウダウダ言いながらも、オッサンになっても・ジジイになっても今彼と共に歩んでいく・・・。
ノンケならば中学生の子供がいても不思議じゃない歳なんだから、それで構わないと思っていた。

だけど、予期せぬ展開で、俺はまた出会ってしまったのかもしれない。
しかも、今回は10歳以上も年下だ。

ほんっと、人生って面白い&不思議だよな。

posted by タ ロ at 12:40| 台北 晴れ| Comment(3) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月17日

波紋 (4)-1

【09年3月〜6月の月記】
話は数ヶ月遡る。
この春、友達繋がりで「ある男(以下C)」と知り合った。
その後、何度か一緒にご飯を食べたり、ウチに泊まったりもした。
当然ながら、相方にも「最近親しくなった友人」として紹介した。

ところがCは、10歳以上年下であった。
だけど俺だって、10歳以上年上と友達付き合いをさせてもらっているし、10歳年下といえども落ち着いた奴だから問題なかろう。

Cは現役でスポーツをしており、ジムで鍛えたのとは異なる健康的な体型が服の上からも分かる。
顔は年齢以上に童顔で、普段着だと学生にしか見えない。
性格は擦れていなくて、不器用で猪突猛進タイプ。
普段はぼぉーっとしているけど、実は頭が良く、仕事も専門知識をフルに発揮する業種だ。

俺は・・・顔だけで惚れる事はない。身体だけで惚れる事はない。職業や知性だけで惚れる事はない。
だけどこれらを総合すると、Cは「この上なく好みのタイプ」であった。
しかも、「若さ」という最大の武器を身に纏う事により、俺の目には彼の姿が眩しく映った。

目の前にいる好みの男を全部食うような、「肉食動物」ではないつもりだ。
相方も交えた、健全な交友関係を築いていきたい。

過去にCが好きであった人の話を聞いてあげたり、一緒に酒を飲んだり、バイクで走りに行ったり・・・俺は、Cと接している時は学生時代に戻ったような気分で過ごした。
Cも俺との時間を楽しんでくれているようであり、「タロさんって、顔が若造りなせいか、めちゃくちゃ年上には思えないっすねー」と言い、事ある毎に俺んちに遊びにきてくれ、歳の離れた兄に甘えるような態度で接した。

とはいえ、Cが「この上なく好みのタイプ」であるという事実を完全に隠し通す事はできず、つい、からかうフリをしながらセクハラ発言をしてしまったり、肩を組むフリをして肉付きを確かめてしまう。
もし俺が逆の立場なら、30代後半のオッサンにセクハラをされたら「ウザい」の一言に尽きるだろう。
だけどそういう時、Cはイヤそうな顔はせず、むしろ照れくさそうに微笑んだ。

ある時Cは、「あーあ。前彼がタロさんみたいな人だったら、頼りがいがあって・だけど年上なのに可愛らしくて、毎日が楽しかっただろうになぁ」と言った。
そんな事言われたら、オッサンはドキドキしてしまうではないか!

相方は、「ちょっと最近、Cの事を可愛がりすぎじゃない?」と言った。

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【6月上旬】
Cがウチに遊びに来ていた6月のある日。
相方は「用事」とかで出かけていき、俺とCの2人が部屋に残されていた。
俺は、「スケベオヤジ心を隠そうとしながらも、きっと隠し切れてないのだろうな」と自覚しながらも、「まだ昼間だけど、マンションの温泉に入りに行ってみぃひん? 天然温泉なんだぜ!」と誘った。
Cは、ちょっと恥ずかしそうに、「いいっすよ?だけど俺、仮性包茎なんでジロジロみないでくださいね!」と冗談っぽく言った。

更衣室では先に裸になり、浴室に入る。
ラッキーな事に、風呂には誰もいない。貸切だ♪

ところが、Cはなかなか更衣室から入ってこない。
俺は、「トイレでもしているのかな?」と思いつつ、湯船に入っていた。

10分ほどして、彼は浴室に入ってきた。
素晴らしい体型だ。広い肩幅・引きしまったウエストは理想的だ。
腕・肩・脚・尻にしなやかな筋肉がついており、10歳年下に関わらず「雄々しさ」すら感じる。
だけど・・・彼はいつもより恥ずかしそうに、モジモジとしているんだ。

俺は裸眼の視力は0.3くらいだろうか? とにかく、視界がボヤけている。
その、ボヤけた目でさりげないフリをして彼の股間を見ると・・・・あれ??彼は包茎じゃない。
しかも、尋常ではないデカさだ。
「それが意味する事」を理解するのに、5秒ほどかかってしまった。

横に並んで湯船に浸かる。
俺達は、しばらく無言であった。

俺:「なぁ?もしかして・・・起ってる?」
C:「・・・・・・・。だって、タロさんがエッチな事を言ってカラかったりするから、意識してしまうじゃないか! 俺だって、タロさんみたいなのが好みだもん。」
俺:「・・・・・・・。」

俺は、湯に浸かりながら身を動かしてCの真正面に移動した。
湯の中では、彼の股間が相変わらず元気な状態であるのが見えた。
俺は、黙ってCに顔を近づけ、Cの唇に俺の唇を重ねた。
しっとりとした唇の感触が伝わってきた。
それに応じるように、Cは俺の背中に手を回してしがみ付いてきた。
俺は、同じく彼の背中に手をまわし、彼を強く抱き締めた。

30分後。
2人で風呂からあがり、受付の中年女性に挨拶をすると、彼女は「湯加減はいかがでした?ちょっと熱かったかしら?」と尋ねてきた。
俺は顔を赤らめながら、「もう6月だし・・・ちょっと熱かったかもしれませんね」と答え、そそくさと温泉を後にした。

自室に戻るが、俺達は何事もなかったかのように過ごした。
風呂場でのキス・・・これが一線を越えたのか、越えていないのか?その解釈は人によって異なるだろう。
だけど俺的には、まだ「最後のライン」を超えておらず、Cも相方の手前、それを望んではいないように思われた。

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【6月下旬】
それまで月に1〜2回程度メシを食う間柄だったが、その温泉での出来事をキッカケに連日のようにCとはメールを交わし、電話で話すようになった。

相方との海外旅行の為、関空に向かう途上、Cから「しばらく話せないんですね。結構、寂しいです。でも、彼氏さんとの旅行を楽しんできてね!」と携帯にメールが届いた。
俺は、「俺だってお前に会えず寂しいよ。向こうからも、可能ならメールするから!」と答えた。

・・・こんな気持ちになったのは、一体、何年ぶりだろう?
しかもそれが、あんなに年下の男に対してだもんなぁ。
posted by タ ロ at 15:30| 台北 晴れ| Comment(2) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

波紋 (3)-2

【09年7月の月記】

海外旅行から帰宅したその夜(6月27日)、溶連菌感染症を発症し寝込んだのは以前書いたとおりである。
ところがその日、彼は帰国したばかりに関わらず、「仕事の打合せがあるから」と言って夜に外出してしまった。
俺は、まだその時点では溶連菌感染症だとわかっておらず、原因不明の湿疹と高熱にうなされて、ベッドの中で寝込んでいた。

前にも書いたとおり、2年間コンサル専属契約を締結していた飲食チェーンとの契約が5月末に終了しており、にもかかわらず6月時点では次のJOBが決まっておらず、彼はほとんど働いていない状態であった。
それなのに、1週間超の海外旅行から帰国早々、どんな打合せをやっているのだろう?

少し疑問には思ったが、とにかく体調不調に勝つことはできず、俺はただ寝るしかできなかった。

―――――――――――――――

感染症の容体が落ち着いた数日後。
彼は、「タロからもらったデスクトップパソコンの調子が悪いんだ。一度見てくれない?」と言ってきた。
俺は「わかった。見てみるよ」言い、彼の留守中にデスクトップパソコンを立ち上げた。

何気なく、ブラウザの「閲覧履歴」を見てみたんだ。
そういや、事ある毎に彼は「出会い系・即ヤリ系」を利用して、それに気付いた俺とブツかっていたよなぁ・・・。

ところが、閲覧履歴は「何もなし」。
あれ?確か、昨夜も彼はパソコンをいじくっていたよな。
もしかして・・・・削除されている??
敢えて削除する理由は・・・・・。

俺は、これから起こそうとする自分の行動に嫌悪しながも、行動せずにはいられない衝動を感じた。

―――――――――――――――

彼が、以前から使っていたフリーメール(goo、excite)のポータルサイトにアクセスしてみた。
そのサイトの「メール」メニューをクリックすると、パスワードの入力が求められる事なく、フリーメールの受信トレイに画面は移動した。(FireFoxのパスワード記憶機能だね)
・・・・・・無防備すぎる。

以下、受信トレイの内容だ。

受信日:6月27日  送信者:A  タイトル:今夜、大丈夫です。
受信日:6月27日  送信者:B  タイトル:29日、オッケーです。
受信日:6月27日  送信者:C  タイトル:ヨロシクです。
受信日:6月28日  送信者:A  タイトル:昨夜はありがとう。

6月27日って・・・俺達が帰国して、しかも俺が寝込んだ日やん。
マウスを持つ手が震えるのを自覚しながら、送信済トレイに移る。

送信日:6月27日  送信先:A  タイトル:帰国しました。
内容:先ほど帰国しました。久しぶりにヤラへん? 今夜でもええで。

送信日:6月27日  送信先:B  タイトル:帰国しました。
内容:先ほど帰国しました。久しぶりにヤラへん? 今夜でもええで。

送信日:6月27日  送信先:C  タイトル:帰国しました。
内容:先ほど帰国しました。久しぶりにヤラへん? 今夜でもええで。

それを見た俺は・・・・今思えば、なんでそんな事をしたのだろう?と思うのが、WINDOWSの検索メニューにて「.jpeg(画像データ)」を検索していた。
おそらく俺は・・・この、A・B・Cの顔を見てみたかったのだろう。

ところが、検索結果から出てきた画像を見て、さらに愕然としてしまう。
写真には、ケツを掘られる全裸の丸坊主の学生風の男(高校生か大学生かは不明)と、ケツを掘りながら自分達の姿を鏡に映して携帯カメラで撮影する相方の姿が映されていた。
写真の保管日は、今年の6月上旬であった。

俺は、心の中がカラッポになり、彼のパソコンをシャットダウンし、そのまま再び寝込んでしまった。

さて・・・俺はどうしたらいいのだろうか??


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波紋 (3)-1

【09年5月〜6月の月記】

2年前にコンサルティング会社を辞めた相方は、個別に某飲食チェーン店と契約を行い、総括マネージャーとして各店舗の管理・販促を担当していた。
もともと飲食業の給与水準は高くないらしく、その中で彼が貰っていた年俸は、勤続20年の正社員並みだというから、30代前半の彼にとっては厚待遇であった。

その飲食チェーンとの契約は09年5月末に終了する。
会社からは「正社員として今後も働いてくれないか?」と言われたらしいが、彼は「この会社でやりたい事はやりつくしたから」と、会社の申し出を断った。
俺は「確かに、引き止める手を振り払って辞めるのは格好イイ。だけど、中堅とはいえ上場しているきちんと飲食企業が、そこまで言ってくれるのなら有難い話ではないか?」と、内心思った。

5月末の契約終了が間近に控えた、5月のある日。
俺は、「6月以降はどうするつもりなのか?」と尋ねてみた。
彼は、「うーん・・・前からやりたかった“鯛焼き屋”でもやろうかな」と答えた。

俺:「鯛焼きって、この2〜3年にちょっと流行っていたやん。今から出店するのは遅くないか?」
彼:「タロは、俺が9年前から鯛焼き屋をやりたがっていたのは知っているやろ?」

俺:「そりゃ知っているけど、ビジネスとしてやるなら“それで食っていけるのか?”が問題だろう? 売価を1つ120円と仮定して、原価はいくらなん? 月30万円を手元に残そうと思ったら、毎月いくつ売ったらええん? 想定される経費の中には、原材料・家賃・水光熱費のみならず、税金・健康保険料・年金等も含まれているのか? そもそも鯛焼きって、暑い夏場には売れるものなのか? 夏に売れないなら、その間はどうやって稼ぐのだ??」

彼:「・・・・・・。タロは、いっつもそうやって俺の話にイチャモンつけるんやからっ!」

俺:「そりゃ俺だって、文句は言いたくないさ。だけど、独立して飲食業でやっていくなら、きちんと考えておかないとアカンやろ? だいたい50歳や60歳になっても、鯛焼きだけを売って、生活する為の日銭を稼ぐのは不安やん。もう三十路半ばなんだから、次に新たな仕事・商売を始めるなら、もっと慎重に考えないと。」

彼:「・・・・・・。」

俺の職業病なのだろうか?
いろんなビジネスモデルを見てきたせいか、リスクやデメリットばかり見えてしまうんだよな。
それにしても、彼の場合、「ビジネスモデル」というレベルにすら達していないやん。

ほんとに、彼は6月以降、どうするのだろう???
この会話以降、彼とは仕事の話をしないまま、飲食チェーンとの契約が終了する5月末を迎える事となった。

―――――――――――――――

6月に入り、彼はフリーとなった。
彼は毎晩、誰彼となく飲み歩いていた。
今まで忙しくしていたから、少しの間くらい休むのもいいだろう。
それにフリーランスであるからこそ、人との付き合いが大切なのだろう。

・・・とはいえ、これからどうやって彼は仕事をし、稼いでいくつもりなのだろう?

6月も1週間以上経過したある日、俺はこれからの予定を尋ねてみた。

彼:「だってさー。6月末に1週間以上、タロと海外旅行に行く訳やん? それまでの間、仕事として身動きできないんだよ!」

果たして、それでイイのだろうか?
彼がフリーとして生きていく上では大切な時期だし、その為には海外旅行なんかキャンセルしてもいいくらいだ。
だけど、6月の彼は、幾人かと連絡を取り合ったりしているようだが、多くの時間を自宅でゴロゴロと過ごしていた。

俺だって、彼がフリーになった途端にギャーギャーと言いたくはない。
だから、しばらくは大人しく彼の様子を見守るとしよう。

―――――――――――――――

今のマンションを購入し、彼と住み始めてもうすぐ2年になる。
この部屋の名義は俺のものであり、当然ながら住宅ローンの引落しは俺の銀行口座から行われる。

彼とココに住むにあたり、生活費等の分担については、以下のように取り決められていた。
(1) 家賃相当分として、月々のローン支払い額の半額を俺に支払う
(2) それ以外に、水光熱費・マンション管理費(結構高い)・駐車場代の負担として2万円を支払う

この、(1)(2)を合わせると、大阪市内のワンルームマンションの家賃程度になる。
その金額で、大阪市内の夜景が一望でき・天然温泉がついたこの部屋に住む事ができるなら、彼にとっても悪い条件でないだろう?

それに、このままずっと彼と暮らし続けることになれば、もし俺が先に死んだ時に、この部屋が俺の親族の手に渡らず、彼の元に残るような方策を採るつもりでもいる。

彼の月々の負担額がこれだけならば、彼もきっとラクであっただろう。
だけど過去に彼の代わりに俺が立て替えたもの(自動車代等)が、マンション購入当時に100万円以上残っており、これについても分割で返済してもらっていた。
結局、彼は月々15万円を、俺に支払っていた。

―――――――――――――――

ところが6月になり、彼は「今月は苦しいから、支払を待ってくれない?」と言い出した。

俺:「生活費は別に構わないよ。だけど、お前は6月末の海外旅行代金もまだ支払っていないぞ?」
彼:「うーん・・・。それも待ってくれないかなぁ?」
俺:「そんなに苦しいん? だったら無理に海外旅行なんかせんでも良かったのに。俺は国内の温泉でも十分なんだよ。」
彼:「タロはそんなふうに言うけどさ、普段のタロの生活水準に合わせていたら、こっちは全然お金が貯まらなかったんだよ!」
俺:「・・・・・・。」

確かに俺は、同世代より「ちょっとだけ」金使いが荒いようである。
それは、周囲の友人からも指摘されている。
だけど、俺の属する業界では標準的な生活であったりするし、ましてや扶養家族がいない分、自由に使える分が多いのは当然だろ?
それに、こんな生活でも預金残高は緩やかに増加傾向にあるし、何かあった時用に医療保険等も手厚くかけているのだから、全然問題ないはずやん!

とはいえ無意識のうちに、恋人である彼にも同等の出費を強要し、結果として彼を困らせていたのか??
しかも彼は、それをずっと俺に言う事ができずにいたのか??
そう考えると、彼に何も言う事ができず、ただ黙るしかなかった。

それにしても、だ。
彼は今後の生活設計をどのように考えているのだろう??
posted by タ ロ at 12:33| 台北 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月28日

波紋 (2)-2

ホクロ除去手術の為の術前検査のついでに受けたHIV検査の結果を待つ、5日間の出来事である。

6〜7年前のセクフレ(以下、F)から携帯にメールが届いた。
「仕事とプライベート双方で相談したい事があるから、久しぶりに会わない?」と言う。

6〜7年前。俺は彼氏が隠れて遊んでいる事に初めて気付き、それがショックで乱れていた。
その反動で、俺自身もネットを通じて一夜の相手を求めるようになり、その時に出会ったのがFであった。
彼とは、3〜4回身体を交えた。(と思う)

Fは某・旧帝大を出て、現在は某・超有名企業に勤めている。
顔も身体もイイのに、性格的にちょっとイタい所があった。
そして、昔から性欲が人一倍強く・乱交が好きで・セックスに見境がない男でもあり、俺にも何度か「こんど乱交をやるんだけど、一緒に行かない?」と誘ってきた。
それらが原因で自然消滅的にFとは疎遠になったが、通っているスポーツクラブが同じである為、年に数回はスポーツクラブですれ違い、「やぁ!」と軽く挨拶をする間柄となっていた。

前回、Fと会ったのはちょうど1年前の7月であり、08年7月17日の日記にも記述している。
その時、彼は「肝炎で入院していた事」を告げ、その直後に「久々にエッチしない?」と誘ってきた。
俺が、「セックスで肝炎になったんやろ?しばらく大人しくしておけよ」と言うと、
Fは「もう大丈夫。今も薬をきちんと飲んでいて、ウイルスはほとんどないから。だから・・・ねぇ、イイじゃん♪」と答えた。

それを聞いた俺は、無性に気分が悪くなり、「ゴメン。仕事が残っているから帰るわ。」と言うと、
Fは不機嫌そうに、「ちぇっ。せっかく、スポーツクラブで出会った男と、シャワールームの奥でフェラし合っているのを中断して、約束の時間に駆けつけてきたのに!」と答えた。

俺は、吐き気を感じながら、彼と別れて帰路についた。

----------------------

それから1年が経過した、09年7月のある日。
俺達は共通のスポーツクラブのエントランスで待ち合わせをし、そのまま食事へと出かけた。
久しぶりに見ても、Fは普通に格好いい。
とはいえ、前回の不愉快なやり取りを忘れる事ができるはずもなく、「さっさと用件だけを済まして切り上げよう」と心に決めていた。

居酒屋で乾杯をして、当たり障りない会話をした後、俺は本題に入る事にした。
「えっと、仕事の相談って、何かな?」
俺の職業に関連する相談を、Fはいくつか持ち出し、俺は答えられる範囲で即答した。

俺:「じゃあ、プライベートの相談のほうは、どんな感じの事?」
F:「実は最近、別れたんよ。だから、イイ人がいたら紹介してもらいたいなぁと思ってね。」

俺:「それは残念だったね。どんな人と付き合っていたん?」
F:「ある乱交で知り合った年上で、めっちゃセックスの相性が良かったんだ。だから付き合う事にしたんだよ。」
俺:「そっか・・・。」

F:「ところが、彼の部屋に遊びに行った時、彼に強引に薬を打たれてしまったんだ。これがめちゃくちゃ気持ち良くて・・・・。」
俺:「えっ??クスリって、昔、俺達が遊んでた時に使っていた(当時は合法であった)ラッ○ュとか・・・・・・じゃないよな?」
F:「うん。△(←アルファベット1文字)だよ。オレって、そういうのに嫌悪感や先入観がないから♪」
俺:「おいっ!それ、シャレにならんぞ!」
F:「大丈夫。もう、彼とは別れて、この1ヶ月やってないから。」

俺:「・・・・・・・・・・。」
俺:「で、なんで別れたの?」
F:「付き合った当時、彼とは△を使ってエッチしまくり、とっても気持良く過ごしていたんだよ。」
F:「ところが、時々、彼の性格が豹変するようになってきて、さらに途中から薬代を請求するようになってきたんだ。だから別れる事にしたんだよ。」

俺:「・・・・・・・・・・。」

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俺の理性は、「この場を即座に立ち去るべきだ」と告げていた。
だけど、あまりにも「異質なモノ」が目の前に座っている事に対し、悪趣味な好奇心を隠せずにいた。
そもそも、1年ぶりに俺を呼び出しておいて、何故、そんな危ない話をするのだろう???
とりあえず、その答えだけでも見出しておこう。

だけどこういうヤツには、常識や正義を真正面から話しても通用しない。
だから、ちょっと切り口を変えて質問を続けたんだ。

俺:「△って、やっぱり静脈注射とかをする訳? その時って、どんな感覚なん?」
F:「注射器とセットで売られているんだよ。」
F:「ゴ○オみたいに回りくどいモノと違って、打った瞬間に快感が全身に広がって、その快感の強さといったら言葉では表現できない程だよ♪ まさしく、全身が性感帯って感じ。」

俺:「へ〜っ。そいつはスゴそうやな!」
F:「タロも・・・・・やっぱ、興味ある???」
俺:「全然。俺は、今でも結構満足しているから、全く興味ないよ。」
F:「そっか・・・。」

もしかして、Fが俺を呼んだ理由って?
(俺を巻き込もうとしてる???)
いや・・・・俺の考えすぎだろうか?
だけど、「そのように」考えないと、今日の事は辻褄が合わないんだ。

俺は、地獄の底に続く暗い穴を覗き込んだような気分になったが、平静な態度を保つ努力をした。

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俺:「そんなにスゴい快感を覚えて、元の生活に戻れるん?」
F:「もう、彼とは別れたし、この1ヶ月間は使っていないってば。」

俺:「俺ならば、一度覚えた快感に病みつきになってしまうかもしれんなぁ。」
F:「そうなんだよね。最近、あの快感が忘れられなくて、夢にも出てくるんだよ。」

なるほど・・・。
既に、「精神依存」は引き返すことができないレベルまで至っていると解釈すべきだろう。
そりゃあ、エッチは気持ちイイに越したことはないのだろうが、Fは超えてはならない一線を超え「あちらの世界」に行ってしまったようだ。

俺:「さっきの、イイ男を紹介してもらいたいという話だけど、あいにく、俺の周りにはフリーの男がいないんだ。だから力になれそうにない。ごめんな。」
F:「そっか・・・。残念。」
俺:「Fは格好イイと思う。だから、乱交とか△を辞めれば、すぐに自分で見つけられるはずだよ。」

すると、Fは今まで以上に、少し開き直ったような口調でこのように言った。

F:「それがね〜。そうは言ってられない事情もあるんだよね。」
俺:「へっ??」
F:「あれ?言ってなかったっけ?? オレ、ポジだって事。」
俺:「・・・・・・・・・・・・・・・。」

F:「あれ〜っ? 前に会った時、言ったと思ったけどなぁ〜。」
俺:「1年前に会った時は、肝炎で入院していたと聞いたよ。だから、もしかして・・・とは思っていたけど、そんな話、してなかったぞ。」
F:「あははっ♪そうだっけ?」

F:「とにかくそういう訳で、さすがに付き合ったりしたら投薬シーンとか見られてバレるじゃん? だから、簡単には恋人を見つけられないんだよねぇ。」

俺:「いつ、感染が分かったん?」
F:「2年前。ある時から、めちゃくちゃ疲れやすくなってさ。仕事でも全然無理がきかないんよ。」
F:「その時に尖圭コンジローマになったんだけど、肛門科で診せたら“粘膜の状態が普通じゃない”と言われちゃってさぁ。医師に勧められて検査をしたら、ドンピシャだったんだよ。」
俺:「そっか・・・。」
F:「当時はヘコんだけど、今は大丈夫だよ。ジムにも週5回通っているし、今でも週に3〜4人とエッチをやっているしね♪」

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こいつ・・・クスリのせいで、頭がイカれたのだろうか?
それとも、もともとオカしかったのが、いつの間にか拍車がかかっていたのか?
1年前、俺と会った時に「肝炎になったが沈静化したから、久々にエッチをしよう!」と俺を誘ったんだぜ??
だけどその時には、既に自分がHIVに感染している事を知っていて、しかもそれを俺には隠してエッチしようとした訳だ。

1年前、俺はFと話していて吐気がしたが、今はコイツと同じ空気を吸う事すら不愉快だ。
俺の友人にもポジの人はいるが、病気である以外は普通の人であり、快適な交友関係を持てている。
だけど・・・コイツはダメだ。

俺:「俺は相方と9年以上付き合っているし、今は一緒に暮らしているんだ。それに、相方以外にもたった1人だけ、密かに大切に想っているヤツがいるんだよ(←後述するかも?)。」
俺:「だから俺は、今の現状にとっても満足しているんだ。Fも、きちんと恋愛をしたいんだったら、もうちょっと身の振り方を考えたほうがいいと思うよ。」
俺:「それじゃあ、俺はそろそろ失礼するよ。」

何度使用したのか分からないが、△の快感に身を委ねたFが、△なしの生活に戻る事なんて可能なのだろうか?
シロウトながらに思うのだが、夢に見るくらい精神的に染まっている以上、もう後戻りはできないように思うんだ。
その意味では、もはやFは、俺の手の届かない所にいると考えるべきだろう。

帰宅した俺は、携帯からFの登録を削除し、さらにメールの着信拒否登録を行った。

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Fと会った日。それは、ホクロ除去手術のついでに受けたHIV検査の結果が出る3日前の事であった。
何故、検査結果待ちの絶妙なタイミングで、Fからあんな話を聞かされる事になったのだろう?
もちろん、単なる偶然ではあるのだろうが、なんだか因縁めいたものを感じて、3日後の検査結果が怖くなってきた。

2年前の検査後、幾人かと生フ○ラをやったよな・・・。
その時、「先走り」の味を舌に感じた事もあった。
そんな俺は、少なくともHIVという点においてはFを非難する資格なんてないのかもしれないな・・・。

Fは週に3〜4人と今でもセックスをやっていると言っていた。
その3〜4人の相手は、Fがポジでヤク中である事を知っているのだろうか?
きっと・・・そんな事は知らずに、あの端正な顔と、適度に鍛えられた身体と交わる事を楽しんでいるのだろうなぁ。

ならば、俺がこの2年間で交わった幾人かの男達の中にも、Fほどにアブないヤツはいなかったと断言できるのか?
答えは、NOだ。

・・・っと、ここで気づいて愕然としたのだが、
「HIVの感染を知ったのが2年前」ということは、俺と交わっていた6〜7年前にも、既にFは感染していた可能性だってある。
ナマ行為はしてないけど、フェラは普通にやっていたし、(それで感染する可能性はまずないとはいえ)ディープなキスも・ゴムを使ったバックもやっていた。
そのように考えると、ほんとに怖い話だ。

このまま、不定期に気が向くまま遊んでいると、いつ落とし穴にハマったとしても文句は言えまい。
もう俺もイイ歳だし、モテ男気取りでフラフラするのは「卒業」しないとね。

もし、3日後の検査結果がセーフであったら、今後の生活は襟を正して生きていこう。
健康であるという事、恋したい時に恋愛ができるという事、それらがどんなに素晴らしいか・・・。
Fの言動は極めて不愉快であったが、それらを思い出させてくれただけでも、彼に感謝するとしよう。

そのように考え、過去の幾多の過ちを懺悔しつつ、検査結果の恐怖に怯えながら、俺は残された3日間を過ごしたんだ・・・・。

----------------------

後日談:
検査結果はオール・クリアで、無事、ホクロ除去手術を終える事ができました。
posted by タ ロ at 15:34| 大阪 雨| Comment(1) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

波紋 (2)-1

溶連菌感染症の最後に出現する「皮膚落屑」。
人によってその出方は異なるのかもしれないが、俺の場合、足指の裏側&手の指〜手のひらの皮膚がめくれて、ぽろぽろと落ち始めたんだ。
湿疹が出ていなかった箇所である事に加えてその湿疹も完治した後だった為、溶連菌感染症の症状とは思わず、「うわぁ〜。水虫になっちまったよ。」と考えた。
特に手のひらの「めくれ」は広がる一方であった為、「市販の水虫治療薬では足りない」と思った俺は、職場の近所にある皮膚科を訪れた。

その皮膚科の医師は白髪交じりの中年女性であり、看護師・スタッフも全員女性であった。
ちょっと恥ずかしいけど、ボロボロになった足と手を見せながら、「水虫になってしまったようなんです」と訴えた。
医師は、「白癬菌がいるかどうか、顕微鏡で見てみるね」といい、皮膚をピンセットで剥がし、その皮膚を薬液で溶かして顕微鏡を覗き込んだ。

医師:「白癬菌はいないわねぇ。それに、水虫とは皮膚のめくれ方がちょっと違うのよね。一体、何かしら・・・」
俺:「えっと・・・。実は6月末に溶連菌感染症になってしまいまして、つい数日前まで抗生剤を服用していたんですよ。それが関係あるんでしょうか?」
医師:「なるほどね。ならばこれは、溶連菌感染症の“皮膚落屑”ね。一通り皮膚がめくれたら良くなる筈だから、しばらく様子をみてちょうだい。」

水虫ではなく安心したが、改めて俺が感染した溶連菌感染症が意外に重いものであった事を痛感した。
バリ島から帰国して、既に3週間も経とうとしているのに、まだこんな症状がでるなんて・・・。

これで皮膚科を訪れた目的は果たしたのだが、他に受診を待つ患者がいなかった為、ふと、今まで気になっていた別の症状について相談してみる事にしたんだ。

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俺の目と眉の間には直径3ミリくらいの盛り上がったホクロがある。
めちゃくちゃデカいという訳でもないので、普段は特に気にならない。
唯一の弊害と言えば、顔を洗っている際に稀に爪で引っ掻いてしまう事くらいかな?

ところがある時、学生時代の自分の写真と見比べると、このホクロが明らかにデカくなっている事に気付いたんだ。
急に大きくなった訳ではないから、昔の写真を見るまでは全く気付かなかったよ。

ホクロがデカくなるって・・・不気味だよなぁ。
悪性腫瘍化したらシャレにならないし、そうじゃなくても、今後も成長し続けて「寅さん」みたいになるのもイヤだ。

それを話すと医師は、「ちょっと見せてみて。悪性ではなさそうね。気になるなら取っちゃいましょうか?」とあっさり言った。
で、その場で決断して、30年以上慣れ親しんだホクロを取ってもらう事になったんだ。

それなりの大きさのホクロの為、根が何ミリか皮膚下まであるらしく、麻酔をかけてほじくり出し、ぽっかり穴が開いた部分を縫い合わせて塞ぐという手術になる。
したがって、思いつきで即日手術をする訳には行かず、術前検査として採血を行い、その翌週に手術をする事になった。

看護師:「採血をして、B型&C型肝炎と梅毒を検査しますね。オプションで、2,000円負担していただければHIVも検査しますが、どうしますか?」
俺:「HIVなんてそんなぁ〜。思い当たるフシはないですし。・・・・・・・。念のため、お願いします。ほんと、心当たりなんかないんですけどね。(汗)」

前回、HIV検査を受けたのは2年前くらいかなぁ?
その後も、リスキーな行為はしていないんだけど、とはいえ、「セーフセックス」ではなく「セーファーセックス」に過ぎないんだよなぁ。
万が一なんて事になると、これからの生活がガラリと変わってしまうだろうし・・・。
それに今のプライベート環境(そのうち書く予定)を考えると、ちょうどイイ機会かもしれない。

という訳で、「水虫疑い」で皮膚科を訪れた俺は、予想外に「ホクロ除去手術」を受けることとなり、さらに予想外に「HIV検査」を受けることになったんだ。
血液検査結果が出て、ホクロ除去手術を受けるのは採血より5日後。
その間、過去のいくつかの過ちを懺悔しながら、日々を過ごす事となった。
posted by タ ロ at 11:51| 大阪 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月27日

波紋 (1)

前回書いてから、既に5週間も経っているんだね。
というわけで、またもや月記となってしまった。

相方との台北〜バリ旅行は、期待以上に楽しいものだった。
日本の近隣国だし、実際、日本人がごろごろ歩いている訳で、その意味じゃあ「異郷の地」とは言えないのかもしれない。
だけど、大阪とは違った風景・食べ物・匂いを堪能する事ができたのは事実で、「国内旅行もいいけど、時々は海外に行きたいな」と思えるようになった。

ところが、である。
帰りの飛行機の中で悪寒を感じていたのだが、案の定、帰国当日深夜から発熱してしまったんだ。
「これはもしかして、海外でインフルエンザをもらってしまったのだろうか?」と思いきや、インフルエンザの典型的な症状である高熱・関節痛・倦怠感は出ない。
代わりに喉が異様に腫れ、さらにピンク色の湿疹が広がっていく・・・。

「湿疹は何かのアレルギーだろう」「喉の腫れは、帰りの飛行機が寒かったから風邪をひいたのだろう」と思い、帰国〜翌日にかけて大人しく寝ていたのだけど、治る気配はない。
帰国後2日経つと、喉の腫れはひどくなる一方で固形物はほとんど通らない状況に至り、湿疹は全身に広がりかなり痛むので、休暇後初出勤日に関わらずかかりつけの内科に行くことにした。

結果は、「溶連菌感染症」。 名前のとおり、感染症である。
飛沫か?食べ物か?分からないが、これをバリ島でもらってきてしまったようだ。

日本でも溶連菌感染症になる事はあるらしいが、感染するのはほとんどが子供であるという。
しかも、日本国内には4〜5種類の溶連菌しかないのに、発展途上国では15〜20種類の溶連菌が確認されており、中には劇症化して死に至るものがあるとか・・・。

俺の症状はそこまで酷くはないものの、仕事ができる状態ではないのは確かであり、しかも他人に感染させる可能性もある以上、出勤する訳にはいかない。
結局、点滴を打ってもらったり、抗生剤を飲んだりしながら、1週間の旅行休暇の後、さらに4日間を病欠する事になってしまった。

結果、熱は2日で・喉の腫れは4〜5日で治まり、目に見える範囲の湿疹も10日程で治ったものの、目に見えない箇所の湿疹・痒みはしばらく続き、
さらに溶連菌感染症の症状が消えた後に出現する「皮膚落屑」という症状が治まったのは、感染が発覚した3週間後の事だった。
子供だと数日で治るらしいが、大人が感染してしまうと抗生剤は比較的効きづらく、完治に時間を要するらしい。

・・・っと、ここまでは、ありがち(?)な海外旅行&現地感染の話しであるが、この出来事をキッカケにいくつかの(個人的には)重大な事件が発生したんだ。

(続きはそのうち・・・)
posted by タ ロ at 15:34| 大阪 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | Gay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする